おたくの文章

ミーハーです!

ブログには暗すぎないことを書きたいなと思ってはいるのだが、なかなか明るくて書きたいことが浮かばない。世の中に対する嘆きや怒りで書きたいことはときどき浮かんで、下書きに書いてみては消している。

年末年始ごろから気力がわかず、部屋は汚くなる一方だし、せっかく買ったあれこれにも何も手を付けられていない。

U-NEXTで配信している古今東西のありとあらゆる映像作品の一覧をぼんやりと眺めて夜がふける。スタートレックの映画シリーズを見ようと思い立って面白く鑑賞していたはずなのに、「ジェネレーションズ」までやっと来たのに、開始数分で集中力が途切れて再生を止めたまま数週間が過ぎた。「故郷への長い道」は本当に良かったから、この作品について誰かに話したいしこのブログにも書いてみたいなと思っていたけれど、なんかそんな元気がない。昨年の夏頃に古着屋でわけも分からずStar Trek Ⅳと書かれたTシャツを買ってたけど、あのときの自分にグッジョブと言いたい元気だけがある。

スタートレックに惹かれる。せっかく差別と資本主義経済を克服した人類がなぜか自己研鑽として軍事組織を自主的に形成している点以外は世界観にすごく惹かれる。差別を克服したといいつつ地球人以外への地球人のまなざしはどうなんと思わされたり、男女は根本的に違う生きものでだからこそ惹かれ合うみたいな価値観にも同意しかねるけど、「コンピューターを必要以上に魅力的に描かないこと」等作品の外側にあるルールや、すぐに頭に血が登って爆弾だの銃だのでドンパチするわけじゃなくてまず交渉や駆け引きが行われるところも良い。

はじめてスタートレックシリーズに触れたのはJJエイブラムスのリブート版だ。レンタルDVDショップで借りてきて家で見ていたら親たちが「とんがり耳の人のやつ!」「スポック!」などとにわかに騒ぎはじめ、ネタバレをかましてくるので辟易とした思い出がある。それでも「カーンの逆襲」「ミスター・スポックを探せ!」を見たあとでは、あのとき親たちが「これは!」と騒ぎたくなる気持ちもとてもよく理解できる。

(古い作品とはいえ重大なネタバレになるのでここからしばらく読みたくない人は薄目で飛ばしてほしい)

 

私はなぜか最愛の親友が死ぬ展開に惹かれる。厳密には、死ぬことそのものではなく、死ぬ展開があってから残された側がこの世を去った人物をどのように表現するのかと、その表現の美しさに惹かれている。

井伏鱒二の「鯉」は死んだ人物をたたえる作品としての最高傑作だと思っている。私の親友の死好きはここから始まっているように思う。フィクションに描かれる関係性のほとんどで「Aが死んだらBはきっとこう思うだろうな」と「鯉」に重ねて勝手な想像を繰り広げてしまう。先に書いた2作品を見て、カークがスポックを本当に大切な無二の親友だと思っていたことにとても胸が締め付けられた。スポックが記憶を取り戻したシーンも、二人の友情をとても深く感じられて泣いてしまった。

スポックがカークに「永遠にあなたの友人」と言葉をかけるのも、私は本当に大好きだ。(シチュエーションはとても悲しいが。)「私とあなたは友達だ」と言うだけで、こんなにエモーショナルな気分になることがあるだろうか。スポックもカークも自身のコンプレックスをとても強く気にしている。その二人がお互いに無いものを持っている相手を友人だと呼べる関係がとても美しいと私は思っているし、成人男性二人がなんのてらいもなく二人の関係を「永遠の友人」と言えるのも素晴らしいと思っている。恋愛の名台詞ばかりが記憶される世の中に、この名台詞が多くの人の記憶に残されていることも嬉しい。二人の友情を心の底から寿ぐ気持ちでいっぱいになる。

 

(読み飛ばし終了)

スポックといえば、理論的で感情に頼らない(というか理論の邪魔だから感情を消すことにしている)種族であるバルカン星人の話をしたい。AROACEの私として、スポックを見ていてとても落ち着けるのは、きっとホイホイと恋愛するキャラクターではないことが大きい。「感情がない」は本当によくあるAROへの偏見で言い過ぎだけど、スタートレックはカークやマッコイを筆頭にギラギラした人も多いので、バルカン星人の血を引くスポックが華やかな場面でも「興味ないです」とばかりにスン……としているのは、見ていてとても爽快な気分になってしまう。いいぞ!もっとやったれ!と言いたくなる爽快さだ。

なんだか最近ひな祭りの話題が身近に多くて、まだ誰を好きになるか、ならないかも分からない歳(念のため:ひな人形は子が0歳の時から購入します)から異性愛前提の人形買い与えられるのって嫌だなとか、私が恋愛しないのをひな人形と結び付けられて評されんのすごく嫌だったなとかいろいろと考えて悲しかったけど、これを書いているうちにキラキラAROACEの気持ちが戻ってきたので、「興味ないです」の顔をこれからもたくさんの人に見せていきたくなった。興味、ないで〜す!!

 

全然元気ないし部屋はぐちゃぐちゃだしやりたいことあったはずなのになんか一日が終わってるし夜更かししたのにやるべきことは終わってなくて悲しくなるけど、意外とスタートレックの話ができたしブログも更新てきた。良かった。